地球と人類の宝物である屋久島。この島は、周囲 132 km、面積 503 km2の日本で5番目に大きい島である。屋久杉を象徴とする森厳な大自然に抱かれ、神々に頭をたれ、流れに身を浄め、大海の恵みに日々を委ねて人々が生きた島。
この島は、はるかな昔から人々の魂を揺さぶりつづけ、近世森林の保全と活用で人々が苦しみ葛藤した島である。
そして今、物質文明の荒波をようように免れた屋久島は、その存在そのものが人間に対する啓示であり、地球的テーマそのものである。この島に住む私たちは、この屋久島の価値と役割を正しくとらえ、自らの信念と生きざまによって、この島の自然と歴史に立脚した確かな歩を始める。そのため、この島の自然と環境を私たちの基本的資産として、この資産の価値を高めながら、うまく活用して生活の総合的な活動の範囲を拡大し、水準を引き上げていくことを原則としたい。
この原則は、行政機関はもちろん、屋久島に係わる全ての人々が守るべき原則でありたい。国の自然遺産への登録も、鹿児島県の環境文化村構想も、この原則を尊重し、理想へ向けて、その水準を高く100 年の計を誤らず推進されることを願うものであり、これを契機として、次のことを目標とし、ここに屋久島憲章を定めます。